ayulaveの放言

思いついたことを見境なく書いてます

パラドックスが好きで 2

またパラドックスについてのお話しです。

パラドックスにも色々あるんですが、自分がお気に入りのパラドックス

をひとつ。「人食いワニのパラドックス」というやつです。

まあまあ有名な話なので、聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

人食いワニが人間の子供を捕まえて今にも食べようとします。

そこへ子供の母親が現れて、子供を食べないでくれと懇願。

そこでワニは意地悪?から母親にある提案を持ち掛けます。

「今から自分が何をするかを言い当てたら、この子供を食べない」と

母親に投げかけます。

さて、母親が何と言ったかです。

母親はワニにこう言いました。

「あなたは今からこの子を食べるでしょう」

 

もしワニが子供を食べようとしたら、母親の言ったとおりになるので

食べられない。

もし母親の予言を外そうとするなら、子供を食べないとする行動を

取ることになるので、やはり食べられない。

結局どっちにしても、ワニは子供を食べられなくなる結果になって

しまうんです。

ではもし、母親がこう言っていたらどうなるでしょう。

「あなたは今からこの子を食べないでしょう」

食べないとするなら予言とおりなので、子供は食べないのですが、

食べようとするなら予言を外すので、食べる。

つまりこの場合は2通りの結果が出るのですが、ワニはそもそも

子供を食べたいという意思があるので、食べないという選択肢は

選ばない。

ということは、この場合は確実に子供は食べられてしまうんですね。

なぜこんな違いが出るかというと、母親の「あなたは子供を食べ

ない」という予言は、その後のワニの行動に矛盾を生じさせる

からですね。

 

文字で書くと面白い話だと思いますが、そもそも矛盾が生じるのが

ミソなんですね。

本来矛盾というのは物理的にあり得ない現象だと思うんですけど、

言葉遊びでこんなことが起こってしまう。

同じタイプに「この文章は嘘である」というのがあります。

この文章が真実なら、「嘘である」というのが矛盾するし、嘘なら

「嘘ではない」ということになり、やはり矛盾します。

これもまた、矛盾を内包してしまっているからこんなことが起きる

んですよね。

 

パラドックスって面白いですね。検索すると色んなパラドックス

が紹介されます。中には数学的に難しくて理解しにくかったり、

「これ矛盾解消の方法があるんじゃないの?」と思うものもあったり

します。

パズルと一緒で、暇つぶしにはいい頭の柔軟体操かもしれません。