普段自分たちは互いに、生者同士で生活しています。
近親者とそうでない場合はちょっと違うところはありますが、死体と直面
するような事態になると、非日常になりますね。もちろん医療関係者や
警察関係者などになると、死体に直面する機会がかなり上がるので、非
日常とまでは言えないと思います。
近親者の場合は今までの関係があるので、遺体を見ても悲しみがありま
すが、そうでない赤の他人の死体を見ると大抵ぎょっとします。
仮にそれが表面上、損傷が見られない死体であってもです。
では人間でない動物の場合はどうでしょうか?
たぶん、大きな動物だと「こんなところに」と一瞬ぎょっとはするかも
しれませんが、すぐに冷静になれると思います。
たぶん冷静に、保健所や警察に連絡するんじゃないでしょうか。
人間だとなぜぎょっとするかというと、普段は普通に動いてしゃべったり
するのを見るからです。
ましてや損傷が著しかったりしたら、そのショックの度合いも大きい
でしょうね。
戦争中はどうだったんでしょう?末期になり日本の至るところで死者が
みられるようになると、始めこそショックだったかもしれませんが、嫌
でも慣れてしまったかもしれませんね。
自分は戦後生まれでその辺の感覚は分かりようがありません。
時代劇とか見るとバッサバッサ斬られた死体を見ますが、不思議と怖い
感じにならない。これは演技だということを理解しているんでしょうね。
日本は先の戦争から約80年も経って、多くの死に直面する事態から
遠く離れました。
ただ大災害や大事故などで、不幸にして多くの人が亡くなることはあり
ましたが、日常ではありません。
世界を見ると戦争が絶え間なく続き、いつ死ぬか近親者の誰が死体に
なるのかが日常の地域もあります。
心落ち着く余裕もないでしょうが、今の日本人からしたらその感覚は
理解できないと思います。
いつになるかもわかりませんが、死体と直面するのが非日常になって、
心が休まる世界が地球全体に広まったらいいですね。